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第1章 錆びた街

あたしは戻ってきた。

錆びた街に。

ケータイを取り出す。

「来たの?」「はい」

「またしちゃうよ」数年前まぶしかった彼女。

それが手が届かないなんて。

人生とは不毛なものだ。

「話すだけですよ」「訴訟でもするの?」

あたしは思わず笑ってしまった。

「悔やんでるんですか?」
「まさか」驚いたように彼女が言う。

「貴女が戻るとは思わなかっただけ」と彼女。

ケータイ。