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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第9章 戸惑い
「バンドも恋も、頑張れよ!じゃあな!!」
ジョーはそう言うと、ドアを開けて行ってしまった。
私の言葉も聞かずに。
「ジョー。居なくならないでよ。やっぱり嫌だよ!」
さっきまでいたジョーの残り香が残るその場所に、私は座り込んで、そう叫んだ。
その声は、もうジョーには届かないのに。
叫ばずには、いられなかったんだ。
ジョーがいなくて、夢を追いかけられるはずがない。
私にとって、ジョーは最高の仲間だったんだもん。
今はダメでも、また私達友達として戻れるよね…。
ジョーと過ごしたバンド生活は、こんな簡単に終わりになったりしないよね…。
私はまた、一緒に音楽が出来るって、信じているからね。