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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第2章 満月の夜に
夏が過ぎた海は、なぜにこんなにも静かなのだろうか。
穏やかな波が揺れる様子を見つめながら、私は持っていたカメラを月に向けた。
仕事に追われ、人間付き合いに疲れた私は、こうして静かな海に来ては、空に輝く星や月をカメラにおさめていた。
遠くに建ち並ぶ建物の光が海にうつしだされて、キラキラと色鮮やかに輝いている。
綺麗な色と、この静寂。
月の光の明るさに、私の心はいつも癒されていく。
夜の海は、私の癒しの場所。
日頃の日常から解放させてくれる大切な場所なのだ。