この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第7章 初めての夜

「初めてだから…。」
そう呟いた私の頬に、紫艶の冷たい手が触れる。
いつの間にか私の目の前に紫艶の顔があって、あの燃えるような紅い瞳が、私をジッと見つめていた。
「俺に抱かれるのが嫌なのか?」
「そうじゃないの。ただ、少し不安で…。」
「………はぁ。人間とは面倒なものだな。」
大きな溜め息と一緒に出た紫艶のその言葉に、私の心がズキンと傷んだ。
好きな人に抱かれる事って、もっと幸せなんじゃないの?
紫艶にとって、セックスは深い意味なんてないのかな?
自分が今どうしたいのか、わからなくなり、私はただ俯くことしか出来なかった。

