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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第7章 初めての夜

「初めてだから…。」


そう呟いた私の頬に、紫艶の冷たい手が触れる。

いつの間にか私の目の前に紫艶の顔があって、あの燃えるような紅い瞳が、私をジッと見つめていた。


「俺に抱かれるのが嫌なのか?」

「そうじゃないの。ただ、少し不安で…。」

「………はぁ。人間とは面倒なものだな。」


大きな溜め息と一緒に出た紫艶のその言葉に、私の心がズキンと傷んだ。

好きな人に抱かれる事って、もっと幸せなんじゃないの?

紫艶にとって、セックスは深い意味なんてないのかな?

自分が今どうしたいのか、わからなくなり、私はただ俯くことしか出来なかった。

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