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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第7章 初めての夜
牙が肌を突き破る瞬間。
何ともいえない感覚だったが、それは一瞬で、すぐに体が甘くゆっくりと痺れていく。
夢の中にいるような感覚の中、耳元に聞こえる紫艶の吸血音が、この行為が現実なのだと教えてくれる。
繋がる下半身からの熱。
そして首筋から流れる暖かな血液。
体は蕩けていくだけで、紫艶がいう極上の快感に、私はすっかりと、はまっていた。
こんなに甘美な行為があるなんて…。
遠退く意識の中で、かすかに紫艶の飛沫が私の中で広がるのを感じた。
私はこの夜、愛する人に初めて抱かれた。
そして、それは切ない恋の幕開けとなった。