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行こうぜ、相棒
第13章 あとがき

この物語は、2017年の7月14日に書き始められ、2018年の1月4日に書き終えられました。
あの夏の暑い日に、ある映画の中で主人公の男性が、鼻っぱしの強いヒロインに言うセリフ「行こうぜ、相棒」がなぜか心に残り、そこから物語が始まりました。
書き始めた時、まだ名前すらなかった彼が、何故あんな風に乱暴に彼女を抱いたのか、自分でも分かっていませんでした。また同時に、彼女が彼に惹かれた理由も知りませんでした。
ふたりの過去を主に彼女の側から見ていった時、この物語が出会いの不思議さを語るものなのだ、と始めて気づいた次第です。
サイトの掲載は第6章、双子がランチをとりながら先生の話題になったところで、開始されました。そこにいたるまで、物語の終わりを確信できなかったからです。
あの映画を見たすぐ後に、とても暑い台湾に旅行に行きました。台湾を縦断する新幹線の中で、ある作家の小説作成術の本を読みました。その中で作家が語る物語の即興的な作られかたにとても感銘を受けました。後先を考えたり、きれいな文章を書いたりするより前に、まずは物語が望む《流れ》をとにかく大切にして、それが途切れないようにストーリーを組むこと。そこから先の整合や文章を整えることは、推敲の段階でやればよい、と作家は言います。
ナルホド、と思い、あまり深くものを考えずにとにかく書き続けようと思って最後を目指しました。
ただ残念なことに、とりあえずエンドマークまで来てみると、まだまだ自分の筆力が足りないことを痛感します。物語はもっと大きな箱であった気がするけれど、今の自分にできるのはこのサイズの箱が精いっぱいなのだな、と気づきます。
でも、こんな物語が自分にも書けた、という感慨だけをいまは持って、次に進みたいと思います。

