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行こうぜ、相棒
第5章 Maneater

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「それで? なんでそんなワンピ着てるの?」
グラスの内壁についた泡をストローの先でつつくと、壁を離れた泡が小さく揺れながら縦長のグラスの中を上がってゆく。
その様子を見ながら、リエが言った。
「えー、変?」
「エ子には似合わないんじゃない?」
エ子、と呼ばれたエリはふくれっ面をしてみせる。「なによそれー」
エリは鮮やかな花の模様がプリントされたサンドレスを着ている。彼女は皿のマトウダイのグリルを食べながら答えた。
「リ子には似合うの?」
「おんなじ見た目じゃん…」リエの苦笑。「…って言っても、そういうフェミニンなのはどちらかといえば私向きじゃない?」
リ子、と呼ばれたリエが答えた。
「そうかなー」
「恋でもしてるの?」
リエの質問に、エリは双子の妹の顔をまじまじと見つめてしまう。

