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行こうぜ、相棒
第6章 Englishman In New York

エリは、湾を望むソファーの上で、着衣のまま、M字開脚にしっかりと拘束されていた。
「できたよ」
と、先ほどと変わらない穏やかな口調で先生は言った。
「はい……」
エリはほかにどんな返事をしたら良いのか、分からなかった。
「すごい、格好です」
「そうだね。きみは変に怖がったり身体をこわばらせないから、とてもきれいに縛られているよ」
「…はい」
先生は、エリに背を向けて、キッチンの方に歩き始めた。
「すまないが、コーヒーを淹れてもいいかな?」
いや!
拘束されて、身動きが取れないまま、相手がその場をわずかでも離れようとする。その瞬間、エリの脳裏にあの時の光景がフラッシュバックした。
胃の縁がキュっとすぼまり、名付けようのないかすかな痛みが、稲光のように身体を駆け抜けた。
「行かないで」
つい、そう、口走ってしまった。

