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行こうぜ、相棒
第1章 the kiss on my lists

何故、とエリは思う。
悲しいのはこちらだ、と。
そして男はエリの唇に自分の唇を寄せてきた。
その唇がエリのやわらかな唇に触れる。その舌が唇を撫で、上下のピンクの花びらを、やわらかく押しひらく。
そしてそっと、前歯の隙間にその舌が入ってくる。その瞬間。
何故?
何故??
エリは混乱した。
そんなはずが、ないのに。
エリの腰の奥から、胸の奥底から、堰を切ったように何かがあふれてきた。
それは名付けることのできないような原始的な何かだ。
抗おうと心はもがくけれど、それは奔流のようにエリを押し流し、全てを赦し、受け入れてしまう。男の悲しみと高ぶりが、甘美な熱となって、エリの全てを包み込んでしまう。
やめて。
それだけは、やめて。
エリはそう思う。
身体から、心を奪われるようだ。
男の舌がエリの舌を捉える。
もつれるようにこわばっていたエリの舌は、その甘い刺激に応えてしまう。
男の舌を受け入れて、そして絡みつく。
エリの身体から力が抜ける。
あぁ…。
そんな。
思考が途切れる。
男の手が、エリの戒(いまし)めを解く。
エリの手は重力に従って下に降りると、そのまま男の腰にまとわった。

