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甘い時間は2人きりで
第1章 プロローグ
繋がれた手を痛くない程度に強く握られる。
「離したくない」という気持ちが伝わって来るけど…
「はい、1分経った!離して」
「はーい」
絡んでいた指が離れて、ポケットから手を抜き出した。
熱が無くなった右手に寂しさを感じてしまうのは気のせい?
「帰ろっか。丁度いい頃やと思うし、家の中なら誰かに見られることも無いし。この前の言われた通り茜さんのこと癒してあげるなー」
いつものように笑いかけてくれる春人に胸が痛んだ。
彼はまっすぐな愛情を注いでくれる。
でも私はそれに応えられず、つい突き放してしまう。
ツンツンした態度で接したくないのに、素直になれない私。
本当は春人に上手く甘えたいのに、恥ずかしさとか、照れ臭さが邪魔して出来ないな…
可愛くない彼女だよね…