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甘い時間は2人きりで
第27章 それぞれのお正月
「春人、お疲れ様」
『うん…ごめんな、電話出来やんくて…』
2017年最後の夜、ようやく春人とゆっくり電話出来るようになった。
春人は3日前に最後のフェスを終えて仕事納めをしたけど、その後はバンド仲間や友達と忘年会を夜な夜な行い、なかなか電話出来なかったんだとか。
私は仲良い人と楽しく過ごせて良いと思うんだけど、春人は電話出来なかったことを申し訳無さそうに謝っていた。
「今は実家?」
『うん、久々にやっくりしてるわ。実家に泊まるのも久々やしな』
「さっきね、春人が出演してた年末フェスの記事読んでたんだけど、躓いて転んでた写真あったよ」
『うわー、恥ずいからやめてー。テンション上がってもうてステージ走ってたらこけたんよ』
でも、どの写真も春人が楽しそうな表情をしてるから、楽しんでライブをしたのがよく伝わってくる。
「春人は今何してるの?」
『紅白観てる。オカンが『アンタも早く紅白出なさいよー』やって』
「あははっ、その内出られるよ」
『いや、その内っていつやねん』