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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第18章 愛されたくて…
それから、約1ヶ月後。
傷を覆うガーゼが
汚れなくなったある日のこと。
私は、大変なことに気がついた。
傷のことばかり
気に掛けていたのから
すっかり忘れていたけれど。
ここ1ヶ月くらい…?
来るべきものが、
来ていなかった。
前の生理はいつだったっけ…?
もしかしたら…。
また…
あの悪夢のような出来事が
よみがえってきた。
あのとき
亮輔は避妊していなかった。
当然、妊娠も考えられる。
もう、全てが嫌になってくる。
亮輔も
自分も
何もかも…。
いったい
私は何をしてきたんだろう…?
主人以外の男達と出逢って
いったい私は何を
手に入れることが出来たんだろう…?
それは…
背中の醜い傷と
妊娠への恐怖だ。
結局…
私が欲しかったものは
何ひとつ
手に入らなかった。
私はただ…
私だけを必要としてくれる誰かが
欲しかっただけ―――。
自分が
他人から必要とされる存在になりたいと
思っただけ―――。
いや、そんな大げさなものじゃなくて、、
私は…
―――――そう。
ただただ
本物の愛が欲しかった。
ただ、ひたすらに
愛されたかっただけ
だったのに―――。