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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第4章 年下の男の子
何度となくメッセージを交わすうちに
彼は意外と近くに住んでいることがわかった。
距離で言うなら
車で20分くらい。
あまりの近さに驚くのと同時に
実際に逢うということが
途端に現実味をおびてきた。
私が一言『逢う』と言えば
簡単に逢うことが出来てしまう距離。
いや
もしかしたら
私の知ってる人かも知れない。
そう思うと
緊張や不安の入り混じった
複雑な心境になるのだった。
彼は決して
自分からは逢いたいとは言わなかった。
その代わりに
思わせぶりな言葉で
私の心をくすぐった。
『身長は低い方が
絶対に可愛いよ!』
『たまに
年上に思えないとき
あるよなー。』
親しみやすい話し方で
私のコンプレックスをつついてくる。
やがて――
私は彼に逢いたいと
思うようになってしまった。
それは
決して恋愛感情ではなかったけれど。
彼に逢って
どうしたかったのか?
と聞かれると自分でもわからない。
ただ年下の彼に逢って
どんな声なのか
どんな顔なのか
見てみたかった。
そんな
ちょっとした好奇心。
ごく自然な会話の流れの中で
いつのまにか
私は彼と逢う約束をしていたのだった。