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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第6章 浮気
恐い経験をしたこともあって
それから暫くの間は
誰にもメールする気にはなれなかった。
このまま
元の生活に戻れるはずだった。
そう。
家政婦のような生活に…。
けれど、私は見てしまった。
機種変をした主人の古い携帯に
消去されずに残っていたメッセージ。
『ファミリータイムは電源切ってるのね』
見るつもりなんてなかった。
リビングに放って置かれたままの古い携帯。
ほんの好奇心で
開けてしまった受信ボックス。
おそらく消し忘れたんだろう。
残っていたのは
そんな短い文章だけ。
けれど、これでハッキリと
わかってしまったのだ。
主人は浮気をしている。
セックスレス。
突然の暴力。
全ての原因が
そこにあるような気がした。
主人への愛情なんて
もうこれっぽっちも残っていなかったけれど。
怒りとも
憎しみともいえない
複雑な感情が込みあげてくる。
『婚姻届』とゆう名前の
たった1枚の紙切れだけで縛られている自分が……
ただ、悲しく思えて――。