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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第10章 京都の彼…別れ
『あんまり好きにならないようにしてる』
前に彼が言った言葉が重く私に響いた。
いつも冗談ばかりの彼の言葉の中で
真剣に言った唯一の言葉。
こんなに辛い想いをするなら
彼を好きにならなきゃ良かった。
彼に抱かれるんじゃなかった。
「京都の彼」とは、もう逢わない。
と決心したものの
たまに近況報告のようなメールは続けていた。
それは男と女ではなく
普通のメル友のような関係に落ちついていた。
男と女の間に友情は成立するのか?
と聞かれればすぐに返事は出来ない。
彼とは
一度きりとはいえ
そんな関係になってしまったのだから
心境は複雑だったけれど
彼への想いの中の
「好き」を封印することで
以前から知っている友達のような
自然な関係を作っていられたんだと思う。