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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第13章 マリ…喪失まで
私の生活の中で
何かが変わり始めた。
モノトーンだった景色に
まるで鮮やかな色が付いたように。
マリを知ったことで
私はお化粧やダイエットにも
力を入れるようになった。
無駄な抵抗かも知れないけれど。
8歳も年下のマリに
少しでも気に入られたくて
出来る限りの努力をしてみたかった。
新しい下着を買ったり
メイクを変えてみたり。
そんな私の変化に
主人は気づきもしなかったけれど。
元から私を見ていなかった主人には
ちっぽけな変化なんて
わかるはずもない。
少し前から
主人が自分で下着を
買ってくるようになった意味が
今なら私にもわかる。
それは
女がいるサインだ。
たまに
シャツに薄っすらと付いた口紅の跡は
おそらく…
相手の女からの
妻である私に対する無言のアピール。
けれど
そんなものは
私には関係のないことだった。
そんなに主人が欲しければ
奪い取ったらいいじゃない。
小細工なんかせずに
正面からかかってきなさいよ。
私はもう
主人には
興味なんてないから。
私には
マリがいるから。
何を見たって
何を聞いたって
平気でいられる。
主人は
ただの同居人で
私の心は
マリのものだから…。
マリからメールがくるたびに
ドキドキする。
平凡な主婦の私に
突然訪れた少女のような恋心。
けれど…
あんなに素敵なマリが
私を愛してくれているなんて
まるで夢のようで…。
夢から醒めてしまうのが恐くて…。
時々、言いようのない
不安の波が押し寄せてくる。
ハッキリとした自信なんて
私にはなかったから…。