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閉じ込められた部屋で夫は
第1章 開幕
―――黒井家
「とりあえず、セオリー通り死体遺棄の容疑で捜査ってことでいいですかね、警部。まだ、殺人かどうかわからないので」
リビングの床一面に広がる夥しい血を目にして、若い警官が警部と呼ばれたベテラン警官に尋ねた。
「仏さんが見つからないことには殺人罪だと断定できないからな。もっとも、これが殺人じゃないなら何だって話だが」
マンションの一角。酷い異臭がするという通報を受けて警察が踏み込んだところ、リビングとバスルームにぶちまけられた大量の血液が発見された。もっとも、見つかったのは血液だけでない。細かく千切れた肉塊がそこらじゅうに散らばっていた。
「一体何がここで……」
絶句する若い警官。この凄惨な犯行現場はただの事件ではない。直感的にそう考えた。
「知るか。こういう犯人の考えることなんざ、大抵意味不明だ。だから……」
警部が大声で指示を飛ばす。
「血液やらなんやらは鑑識に回せ!他のやつらは聞き込みを開始しろ!……それと、黒井を容疑者として指名手配だ!」
「とりあえず、セオリー通り死体遺棄の容疑で捜査ってことでいいですかね、警部。まだ、殺人かどうかわからないので」
リビングの床一面に広がる夥しい血を目にして、若い警官が警部と呼ばれたベテラン警官に尋ねた。
「仏さんが見つからないことには殺人罪だと断定できないからな。もっとも、これが殺人じゃないなら何だって話だが」
マンションの一角。酷い異臭がするという通報を受けて警察が踏み込んだところ、リビングとバスルームにぶちまけられた大量の血液が発見された。もっとも、見つかったのは血液だけでない。細かく千切れた肉塊がそこらじゅうに散らばっていた。
「一体何がここで……」
絶句する若い警官。この凄惨な犯行現場はただの事件ではない。直感的にそう考えた。
「知るか。こういう犯人の考えることなんざ、大抵意味不明だ。だから……」
警部が大声で指示を飛ばす。
「血液やらなんやらは鑑識に回せ!他のやつらは聞き込みを開始しろ!……それと、黒井を容疑者として指名手配だ!」