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私は女優よ!
第1章 今を輝く女優

 「もう、慎吾(しんご)さん……だ、ダメよ……」

 甘えた声でキスから先への要求を断る演技をするのは、女だって格好つけたいからなのね。

 例え、不倫の恋といえども、『悪いとは思ったけど、自分を止められなかった』というキッカケを男にも背負わせる為の狡さがこの台詞に託されてる。

 流されていく、狡くて弱い女を魅せるの。

 はだけてゆく肌に恥じらい、ベッドに押し倒されて、メスの声で啼き、蜜の時間を楽しむ。

 『こんな女になってしまったのは、誰のせいなの?
愚かよね。
それでも、こんなふしだらな逢瀬が唯一の救いだったのよね……』

 「環(たまき)、綺麗だよ」

 『当たり前でしょ。私、女優だもの』

 「恥ずかしいわ……慎吾さん」

 『卑怯よね。恥ずかしい行為をしているくせに、言葉では健気さをアピールするんだものね(笑)』
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