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心の隙間に…「君を好きにならない」スピンオフ
第3章 恋人
《said コータ》


きっと気づいてない


翔輝さんは
気づいていないかもしれないけど
翔輝さんの
俺への気持ちは
ダダ漏れだ


好きだなんて
言ってくれないし
俺が近づくと
すぐに離れる

でも

俺を意識して
耳を赤くしたり
照れて口元を隠し

また部屋に来いと言ったり

恋人みたいだと
言ったり…


本当に

世話の焼ける人だ



「恋人みたいなら
恋人になりましょう」


「な、何言ってんだよ」


「いけませんか?」


「だって
コータとは
昨日会ったばかりで」


「ダメなんですか?
俺は全然いいです。
会ったばっかりでも
昨日まで翔輝さんが
向井さんを好きだったとしても
もしかしたら
今も好きかもしれないけど
ほんの数分でも
俺にココにいて欲しいって
思ったなら

俺と
キスしたいって思ったなら

俺と
キスしても…
嫌じゃないなら」


「……」


「翔輝さんは
俺のことが好きなんです」


翔輝さんは
耳を真っ赤にして
俺から視線をそらした


「ココに
いて欲しいですか?」


目をそらしたまま
小さくうなずく翔輝さんを
俺は
了解もなく
抱きしめていた


「キス…したいですか?」


「コータ…」


「聞くなよって
言わないで下さい。
俺はしたいですよ
めちゃくちゃしたいです。
身体の隅々まで
舐め回したいです。

俺と

キス…したいですか?」



「……したい」


翔輝さんは
そう言いながら
口元を手の甲で隠した


「翔輝さんが

好きです」




「多分…俺も…

コータが好き」
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