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人魚島
第5章 夏祭り
『それお代わりしたら、もう帰り?うちも仮眠せんといかんけん』
『え?お代わりして良いの?』
『蜜柑腐る程あるけん、うちを毎回指名してくれはるおっちゃんがくれはるの、やけん遠慮はいらねぇよ』
欠伸しながらブラックデビルを優雅に吸うミケさん。
『ああ、弟可愛いよ、弟。なぁ、後生やけんアンタの事弟やと思ってええか?』
『僕で良ければ』
カクテルを傾ければ苦い炭酸水の味がした。
『後なうちな、三咲に惚れとるけん、LINE交換して欲しいんや、メモに書いたけん、ほら、アンタの分も書いたけんな』
ミッキーマウスが印刷コピーされたメモ用紙二枚を僕の手中に捩じ込みながら『はぁ、三咲のでかパイで昇天したいわ』と頬を染める恋するミケさん。
『お代わり頂きます』
空いたグラスを手渡しながら僕は『必ず渡しておきます』と笑った。
ニッコリミケさんもはにかむ。
『ほな、作ったるけん4~5分待ちんさい』とシェーカー片手にジンの瓶を手繰り寄せて鼻歌混じりに作り始める。
僕はそんな彼女のスラッとした後ろ姿を眺めながらアカメダイの姿煮を食べて和布蕪の味噌汁を啜った。
程無くして『出来たぜ』とニヤニヤミケさんが振り返る。
『呑みんさい』
『じゃあお呼ばれします』
ハート型の氷が浮かぶそれを傾けながら僕は何故だか咲子より花子を心配した。
花子…待ってるかな。
僕の昼飯も余計に作って無いかな。
『ご馳走様でした』
カクテルも程々に僕は千鳥足で立ち上がった。
きついアルコール度数のジンだ、しかも酔い回りが早い。
『不味かった?残してるやん?』
『いえ、帰らなきゃと思いまして』
ミケさんから貰ったコンドームの箱をジーンズの後ろポケットに捩じ込みながら僕は汗を拭いながらプレハブハウスを後にした。
途中迄ミケさんが送ってくれた。
茹だる様な暑さの中、僕は咲子より花子を求めながら魚沼家を目指した。
『ハルキッ!』
坂の上でしゃがんでいた咲子が僕の存在に気付いてサンダルを鳴らしながら駆け寄り抱き付いて来た。
『心配したんよ?何処ほっつき歩いてたん?やだ、ブラックデビルの匂いするけん、まさか蓮のとこ行って邪魔してたんとちゃうよね?』
『ミケさんのプレハブハウスに行ってたよ』
『ああ、あのバイセクシャルの橘から言わせれば変態か、ああ、酒臭いな、呑んで来たんとちゃうか?』
『え?お代わりして良いの?』
『蜜柑腐る程あるけん、うちを毎回指名してくれはるおっちゃんがくれはるの、やけん遠慮はいらねぇよ』
欠伸しながらブラックデビルを優雅に吸うミケさん。
『ああ、弟可愛いよ、弟。なぁ、後生やけんアンタの事弟やと思ってええか?』
『僕で良ければ』
カクテルを傾ければ苦い炭酸水の味がした。
『後なうちな、三咲に惚れとるけん、LINE交換して欲しいんや、メモに書いたけん、ほら、アンタの分も書いたけんな』
ミッキーマウスが印刷コピーされたメモ用紙二枚を僕の手中に捩じ込みながら『はぁ、三咲のでかパイで昇天したいわ』と頬を染める恋するミケさん。
『お代わり頂きます』
空いたグラスを手渡しながら僕は『必ず渡しておきます』と笑った。
ニッコリミケさんもはにかむ。
『ほな、作ったるけん4~5分待ちんさい』とシェーカー片手にジンの瓶を手繰り寄せて鼻歌混じりに作り始める。
僕はそんな彼女のスラッとした後ろ姿を眺めながらアカメダイの姿煮を食べて和布蕪の味噌汁を啜った。
程無くして『出来たぜ』とニヤニヤミケさんが振り返る。
『呑みんさい』
『じゃあお呼ばれします』
ハート型の氷が浮かぶそれを傾けながら僕は何故だか咲子より花子を心配した。
花子…待ってるかな。
僕の昼飯も余計に作って無いかな。
『ご馳走様でした』
カクテルも程々に僕は千鳥足で立ち上がった。
きついアルコール度数のジンだ、しかも酔い回りが早い。
『不味かった?残してるやん?』
『いえ、帰らなきゃと思いまして』
ミケさんから貰ったコンドームの箱をジーンズの後ろポケットに捩じ込みながら僕は汗を拭いながらプレハブハウスを後にした。
途中迄ミケさんが送ってくれた。
茹だる様な暑さの中、僕は咲子より花子を求めながら魚沼家を目指した。
『ハルキッ!』
坂の上でしゃがんでいた咲子が僕の存在に気付いてサンダルを鳴らしながら駆け寄り抱き付いて来た。
『心配したんよ?何処ほっつき歩いてたん?やだ、ブラックデビルの匂いするけん、まさか蓮のとこ行って邪魔してたんとちゃうよね?』
『ミケさんのプレハブハウスに行ってたよ』
『ああ、あのバイセクシャルの橘から言わせれば変態か、ああ、酒臭いな、呑んで来たんとちゃうか?』