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人魚島
第4章 咲子の村案内
『まぁ、田舎の島やけん例に習って若い頃は筋金入りのワルやったけん怒ったらドスが効いとるけどな、シンナーやとかも15~6歳の時はやって大型バイクブンブンやって呉市で暴走族の総長やってた位じゃしな…まぁ、俺も昔は相当なワルやったけどチンピラ程度じゃ』
『へぇ、橘さんヤンキーだったんですか?』
『引ったくり、カツアゲ、恐喝…その程度しかやってねぇよ、ヤンキー?不良だよ、単なる不良やけん、じゃけど明さんは背中一面に昇り龍がおるけんガチや、まぁ漁師の大半は船の上でくたばっちまった場合誰が誰か仏さん解る様に入れ墨入れよるんが習わしやけんな』
『あ、咲子も…』
ふと不意に咲子の背中一面にも痛い思いをして彫られた入れ墨の存在を思い出す。
『ああ?咲子か?あいつは魚人様の神聖な巫様の姉やけん、儀式で彫られたんや、2歳の頃からな』
芋焼酎をらっぱ呑みしながら橘さんが眉ねを寄せた時、赤いワンピースドレス姿の三咲さんが咥え煙草のまま『ほな、行って来るけん、先に店で待ってるわ』と紫色の唇を細めた。
『しっかり銭稼いで来いよ』と片手を振る橘さん。
三咲さんは『じゃあね』と玄関をガチャリとしながら出て行った。
それを見届けてから僕は橘さんに訊ねた。
『一体何の儀式だったんですか?』
『主に魔除けやな、海の神様、龍神様に見初められん様にする儀式や、魚人様と龍神様は対立しとるけん魚沼家に龍神様の血筋が無闇に入らん様にする神聖な儀式やわ』
『意味あるんですか?』
『ん?ああ、まぁな、所謂見せしめや』
『見せしめ?』
『浮気や不倫したら背中にアホみたいに村人連中から罵詈雑言を入れ墨彫られるんや、じゃし咲子は巫様の姉や、海の事故で命もし落としても亡骸の仏さんが咲子や解る様に彫る意味合いもあるけん』
煙草の先端に火を付けながらニヤリとする橘さん。
『で?』
顎を上げ目を細目ながら続ける。
『咲子の柔肌は如何やってん?何回イッたんや?』
『またその話ですか?止めて下さいよ』
『興味あるけん、こうやって聞いとるんじゃ』
ニヤニヤがどうやら止まら無いらしい橘さんは鼻の穴から煙を燻らせながら返答を待っていた。
『よ…4回です』
顔を紅潮させながら呟く僕。
『コンドームはどないしたんや?一回分しか渡しとらんかったやろ?』
『抜かずの4連チャンでした…』
『へぇ、橘さんヤンキーだったんですか?』
『引ったくり、カツアゲ、恐喝…その程度しかやってねぇよ、ヤンキー?不良だよ、単なる不良やけん、じゃけど明さんは背中一面に昇り龍がおるけんガチや、まぁ漁師の大半は船の上でくたばっちまった場合誰が誰か仏さん解る様に入れ墨入れよるんが習わしやけんな』
『あ、咲子も…』
ふと不意に咲子の背中一面にも痛い思いをして彫られた入れ墨の存在を思い出す。
『ああ?咲子か?あいつは魚人様の神聖な巫様の姉やけん、儀式で彫られたんや、2歳の頃からな』
芋焼酎をらっぱ呑みしながら橘さんが眉ねを寄せた時、赤いワンピースドレス姿の三咲さんが咥え煙草のまま『ほな、行って来るけん、先に店で待ってるわ』と紫色の唇を細めた。
『しっかり銭稼いで来いよ』と片手を振る橘さん。
三咲さんは『じゃあね』と玄関をガチャリとしながら出て行った。
それを見届けてから僕は橘さんに訊ねた。
『一体何の儀式だったんですか?』
『主に魔除けやな、海の神様、龍神様に見初められん様にする儀式や、魚人様と龍神様は対立しとるけん魚沼家に龍神様の血筋が無闇に入らん様にする神聖な儀式やわ』
『意味あるんですか?』
『ん?ああ、まぁな、所謂見せしめや』
『見せしめ?』
『浮気や不倫したら背中にアホみたいに村人連中から罵詈雑言を入れ墨彫られるんや、じゃし咲子は巫様の姉や、海の事故で命もし落としても亡骸の仏さんが咲子や解る様に彫る意味合いもあるけん』
煙草の先端に火を付けながらニヤリとする橘さん。
『で?』
顎を上げ目を細目ながら続ける。
『咲子の柔肌は如何やってん?何回イッたんや?』
『またその話ですか?止めて下さいよ』
『興味あるけん、こうやって聞いとるんじゃ』
ニヤニヤがどうやら止まら無いらしい橘さんは鼻の穴から煙を燻らせながら返答を待っていた。
『よ…4回です』
顔を紅潮させながら呟く僕。
『コンドームはどないしたんや?一回分しか渡しとらんかったやろ?』
『抜かずの4連チャンでした…』