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溶かされてみる?
第15章 大人の世界

「はい、タッチ交代あっくん」
「そろそろでてくると思ったぞ黎泱」
「見せつけてくれるね〜全く」
「れおくん!!」
いつのまにかあたしの後ろからニコッと笑いながらでてくると黎泱先輩。
「ま、仕方ないから譲ってやるよ」
「譲らなくても勝手に攫うよ?」
2人とも悪い笑みを浮かべながら火花を散らす。
「さ!こんな悪い狼はほっといて、恋ちゃんお手をどうぞ」
「は、はい!」
いつもと雰囲気が違う黎泱先輩にあたしは少し緊張しながら、手を取る。
「うん…とっても綺麗」
あたしに微笑んで黎泱先輩は踊り出す。
夢の世界にいるみたい…
みんなとこんなに食べたり、笑って。楽しんで、踊って、
すごく幸せ…
「まあ…笑った顔が花のように美しいお嬢さんね」
「すごく幸せそうな顔をしている」
「聞きました?あのお嬢さん、誠司さんの娘さんですって」
「隣にいるのは黎泱くんじゃないか」
「さっきから踊っていた子達も、毎年参加してる子達で…」
「とっても人気よ?あの子達…」
「あのお嬢さんは一体…」
周りの声が少しずつ聞こえ始めて、少し緊張してきたあたし。
「恋ちゃん」
「れ、れおくんあたし…」
「胸張って、笑顔で、恋ちゃんは俺に任せて踊っていたらいいよ」
みんなほんと優しすぎるんだから。
そう思いながらあたしは黎泱先輩に合わせて踊っていく。
ちょうど曲がなり終えあたし達はみんなに礼をする。
パチパチパチパチ…
周りからたくさんの拍手が起こった。
「素晴らしいわ…」
「ええ、本当に素晴らしかった。」
「ブラボー!」
「よかったな」
「これで恋ちゃんに文句言う人もいないね!」
「お前はなんも気にせずに笑ってろ」
「恋の魅力は分かる人には分かりますよ」
「よく頑張った!」
いつのまにかみんながあたし達の元にきていた。
「み、みんな…」

