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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第13章 真夜中の逢瀬

「…じゃあ、光の君が藤壺の腕を掴まえて迫るシーンからいくから」
台本を片手で持ったまま、俺はそう言って緩く一呼吸吐く。
そして顔を上げた。
「……──」
「……?…何してんの?もう始まってるよ?」
「あ、ごめんっ…急に聖夜の顔付きが変わったから……」
「………」
舞花のこの一言にため息が出た。
役者なら、現場に入れば監督の合図一つで当たり前のように役に入り為りきらなければイケナイ。
せっかく与えられたヒロイン役を“やってやろう!”──
そんな気迫が舞花からは窺えなかった。
「現場に入ったら、間違っても今みたいな発言しない方がいいよ、総スカンくらうから…」
事務所の先輩として、なんか色んな尻拭いが回ってきそうな気がする…
「じゃあ、もう一回やるからこれでやる気見えなかったら稽古は終わりにする」
「わかった…」
舞花は少し落ち込んだ顔を覗かせた。

