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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第14章 愛のメトロノーム

「──…ねえ晶、あたしの意見なんて知れてるでしょ?」
「……ん」
「たぶん、誰に聞いても同じこと言うと思うよ?」
「……ん」
珈琲が苦い…
いや違うな──
多恵ちゃんの言葉を噛み砕いて理解するごとに苦い感情が沸くんであって…
この珈琲はすでに激甘だ。
「晶、砂糖入れすぎ」
「自分で思った」
今朝ホテルから実家に帰って一休みしてからあたしは多恵ちゃんを近所の喫茶店に呼び出していた──
“晶、三年あるから急がなくていい──お前を待たせた分、今度は俺が待つから…”
ホテルで別れ際に言った高槻の言葉が頭の中でリピートする。
色々考えを巡らせた結果、飲まずにただ砂糖を足してはかき混ぜるだけの珈琲は喉に刺さるほどの甘さを蓄えていたわけで──
「噎せて飲めないわ…」
「砂糖、仕入値高いんだよ?そんな無駄にしてっ!」
さすが和菓子屋の娘だ──
店側に立った意見にあたしは面目無く肩を縮めた。

