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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第6章 喫茶「和らぎ」
カラン…と入り口の鐘がなった。
明るいウッド調の店にベンジャミンの植木が安らぎを添える。
長身とまでは言わないものの、つばの広いキャップを被った頭の小ささが、均整の取れたスタイルを引き立て自然と人目を惹き付ける。
八頭身のマネキンのように計算された容貌──
昼を過ぎ、混雑時を抜けて落ち着いた喫茶店。
「和らぎ」にサングラスを掛けたその若い男性客は現れた。
「御注文は御決まりですか?」
「……ブレンドのホットで」
注文を受けてマスターに伝えると慌ててトイレに駆け込み携帯電話を手にした。
先ほどブレンドコーヒーを頼んだ客のジーンズのポケットから軽快な着信音が鳴り出す。
携帯を手にして立ち上がると、男性客は店内の隅の電話ボックスを借りた。
「はい」
「ちょとっ…夏希ちゃん何しにきたの!?偶然だとか面白いこと言わないよね!?」
「…言わないよ」
「……」
「……晶さんの働くとこ見たくて来ちゃった…」
「なっ…“来ちゃった”って……」
「晶さんの煎れたコーヒー飲みたかったんだけど…もうマスターが煎れたみたい」
ボックスから自分の居た席を見れば頼んだブレンドコーヒーが丁度運ばれてきていた。