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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第34章 きっかけ

◇◇◇

「いらしゃいませ──っ…」

テーブルを拭いているとドアがカランと音を立てた。客を迎える笑み浮かべて顔を向けたあたしは思わず息を飲む。

ヤケにデカイ。ドアの枠スレスレを潜り、店内に入ってきた男はあたしに向かって手を挙げる。

「よっ! 真面目に働いてるな」

「……お金貰ってんだから当たり前。てか何しにきたの?」

カウンターに座り、前にぶつかる長い脚を大きく横に開く。

「マンション探しに行くってメールしただろ?」

あたしは聞いてハッとした。確かにそんなメールが届いてた。大学の休みに入った高槻はこっちの会社に就職するために春から住むマンションを探しに来たようだ。

「で、もう決まったわけ?」

「ああ、決まった」

「早っ」

「直ぐそこ」

「え!? この近く!?」

驚くあたしに高槻はニヤリと返すと鍵を差し出した。
「なにこれ?」

「来月から引っ越すから掃除でもしといて」

「なんであたしがっ」

相変わらずふてぶてしい俺様な奴だ。

「未来の旦那の住む場所だろ? 清潔に保つのは妻の務め。ここも今度から通うから」

呆気に取られるあたしに構わず高槻は珈琲を注文した。

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