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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第3章 クリスマスイブの幸せ-仕事と寂しさと喜びと
ちょっと悲しいけど、年度末にクリスマスだなんて言っていられない。
昼間はギリギリに追加受注があって、プログラムのほぼ初めからやり直し‥
夕方からは年度末決算で忙殺中、新年度からはじまる特別監査の前段階として、年末までに決算を上げたいって紀永は言った。
私だけじゃないよ?
紀永他、早乙女邸のみんなも忙しく、今年の忘年会がズレ込んだほど、全員手分けして決算報告に振り回され捲り。
唯一遠藤さんだけは、本社との噛み合いがあるので通常仕事‥
会長の第1秘書かも知れないけれど、本社秘書部長も兼ねているから抜かせられないらしい。
「遠藤さんがこっちだったら早いのに‥‥」
秘書能力と言うんだったら遠藤さんは国際級、ホワイトハウスの次官だって簡単にやれるだけの、ハイスピードな能力を持ってる。
と、無い物ねだりをしてもね、今はやる事をやらなくちゃ‥
社会に出たんだからクリスマスより仕事でしょう?
「・・・でも・・・」
作業する手は止めないけれど、思い出すのは留学前の紀永と2人で過ごしたクリスマス。
3階のリビングに巨大ツリーを持ち込み、照明を消してツリーの明かりの中で・・・
「うんんっ!
何考えてるのよ私!?」
つい考えが邪な方向に‥
紀永に恋する私は、あの紀永の甘さに弱い、毎回良くあんな言葉が出ると思うくらい、紀永は甘い声で私に囁き掛ける。