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第12章 エンディング

確信は持てないが、確かこんな顔だったと前に向き直ってチビチビともう一人で飲ませてくれと言う雰囲気を出しながら、しかし耳はマスターと男性客の会話をしっかりとキャッチしながら居続けた。

そして木戸にとって不要な会話のやりとりを聞いているうちに、ついに待ち望んでいた内容が耳に届いてくる。

「やっぱり、本格的にこちらに引っ越してこなくちゃならなくなるみたいですよ」

「そうですか。それは、私にとっては嬉しいことですけどね。で、彼女さんはどうするんですか？」

「ゥウン？ゥフフフッ」

マスターの問いかけに、男性客はそう意味ありげな含み笑いを発した。

「もうだめ。嫌われたみたいよ」

「えっ、大石さんを？」