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幸せになれる恋
第32章 幸せになれる恋
助手席に座った桜は下を向き
声にならない声で泣いていた。
下を向いていて履いていたデニムに
涙のアトがポタポタと出来ている。
「桜...泣くなって…」
「ぅっ。だって…聖さん
死んじゃったら…」
「うん。俺死なないって。
実は...前の会社にいた時も同じことあって
その時違う病院で検査したけどなかったんだ。
それから毎年がん検診受けてるから。」
聖のことを知った桜はさらに涙が止まらない。
どうして教えてくれなかったんですか?と
少し怒りながらでも泣いていた。
聖は悪かったと言いながらも家族に報告するため
家に帰ることにした。
そして晩ご飯の後
みんなに報告するとよかったと言ってくれた。
しばらく検査に費やした時間が多く
聖はまた仕事に集中する日が多くなった。
それでも桜は寂しくなかった。
母がいれば早苗もいるし
ラッキーもルルもいるから退屈はしない。
母のフラワーアレンジメントにもよくついて行き
アシスタントをこなしていた。