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第4章 開戦

下山を終えたのは、その日の昼過ぎだ。
連絡部隊が馬を走らせてきた。
「ソレイユ軍は、上陸を完了し、待機していた陸軍との戦いを始めましたが…。」
兵士は何かを言えずにいた。
「現状をありのままに伝えよ。それがあなた達のすべきこと。」
アメリアの言葉を聞き、兵士は深呼吸をしてから報告を始めた。
「ソレイユ軍が優勢。クレセント軍は、後退を続けています。」
報告を終えた兵士がその場をあとにすると、アメリアはマティアスに言った。
「思っていたよりも1日早まりそうだわ。」



アメリアたちのいるこの場所は、建物が無く、草原が広がっている。
城下には多くの人が住んでいるため、ここで食い止めなければならない。

その日の夜は、若い者も歳をとった者も酒を飲んだ。もしかしたら、明日死ぬかもしれない。そう思うと、シラフじゃやっていられないと思ったからだ。
"これが、最後の夜になる者もいるんだわ。"
そう思うと、言葉に表せない複雑な感情が込み上げてきた。
アメリアも、一杯、酒を飲み干した。