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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第11章 満月~あなたのいない世界~
「だから、ふざけるなというんだ。そなたは自分の気持ちが判らないと言いながら、その一方であやつに惚れていた。男として同じ男が愛せぬというのに、何故、あやつを愛せたんだ? 宦官とはいえ、あいつも結局は男だ。所詮、そなたは俺を拒むために、今でも自分は男だと言い逃れているに過ぎん」
王は何かに耐えるように眼を伏せた。ややあって賢に向けたまなざしはどこまでも冷え切っているにも拘わらず、奥底で焔が燃え盛っているかのようだ。
王は何かに耐えるように眼を伏せた。ややあって賢に向けたまなざしはどこまでも冷え切っているにも拘わらず、奥底で焔が燃え盛っているかのようだ。