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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第11章 満月~あなたのいない世界~
賢を腕に抱きながら、ずっと考えていた。初めて男に抱かれる賢を乱暴に扱ったのは許されることではない。だが、たとえどんな形であれ、賢と結ばれたこと、彼女を抱いたことは後悔はしていなかった。
これで自分は余計に嫌われてしまうだろうし、もしかしたら生涯許して貰えないかもしれない。が、この想いを葬り去ることなどできはしない。幾ら嫌われても、自分は賢を追いかけ、この手の内に捕らえておこうとするに違いない。