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第11章 満月～あなたのいない世界～

　振り仰いだ月の模様は、あの大皿に描かれていた精緻な文様にそっくりだ。あれは確か、二人共に六歳くらいのときだったろうか。



　やっと愛する女と結ばれたというのに、歓びよりは罪の意識に苛まれる心の痛みの方がが大きいかった。しかし、この心の痛みは賢に自分が味合わせた痛みよりは、はるかにマシなものに違いない。





　円い月を見上げながら、王はいつまでもその場に立ち尽くしていた。