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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第14章 第三話【宿命~夕陽の誓い~】
 王族として育った乾は他人にかしずかれることに慣れてはいても、逆に自分から頭を下げることには慣れていない。ましてや、日頃から敵視している男となれば尚更言葉は出てこなくなる。しかし、恩義を受けた相手に礼も言えぬほど礼儀知らずの人間にはなりたくない。



 その時、二人の少し手前から澄んだ声が響き渡った。






「乾、どこに行ってたの?」
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