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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第2章 運命の悪戯
新しいものが好きで、好奇心旺盛な永国公主は先入観に囚われることなく、すぐに高麗に馴染んだ。そんな皇女を高麗王もこよなく愛し、夫婦仲は極めて円満であった。政略結婚でありながら、仲睦まじい国王夫妻に重臣たちも安堵と歓びを感じた。
だが―。永国公主は一年後、第一皇子を出産後、数日を経て亡くなった。当時の出産は女性にとって生命賭けであった。凄まじい難産で生まれた皇子もまた仮死状態で、産声さえあげなかった。母子共に絶望かと周囲が落胆した中、赤児が弱々しい泣き声を上げた。
だが―。永国公主は一年後、第一皇子を出産後、数日を経て亡くなった。当時の出産は女性にとって生命賭けであった。凄まじい難産で生まれた皇子もまた仮死状態で、産声さえあげなかった。母子共に絶望かと周囲が落胆した中、赤児が弱々しい泣き声を上げた。