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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第19章 再会の瞬間(とき)~月日は流れ流れて~
ジュチは母を信頼をこめた眼で見つめた。
「【こんなときこそだから】ですわ。お母さま」
「もう少し詳しく教えてちょうだい」
「放蕩の限りを尽くされているのは言い逃れようもありませんが、王承さまは見た眼ほど、堕落されているわけではないと思うのです。さりながら、私が今、あの方から離れてゆけば、あの方は本当に駄目になる―どこまでも底なしの闇へと堕ちていってしまわれるような気がしてなりません」