この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第19章 再会の瞬間(とき)~月日は流れ流れて~
ジュチは良人が以前と同じように色町へ足繁く通う様を眺めては哀しく絶望的な想いに陥った。本来であれば、屋敷内から一歩も出ることは許されない身だ。たまにならまだ良いが、王承はほぼ三日にあげず色町に通っている。もちろん、以前、贔屓にしていたような高級遊廓ではなく、変装して通っても容易に身許が露見しないような安見世である。
それでも、国王の情報網を侮ることはできない。王は表だけでなく裏の世界でも独自に動かせる諜報部隊を持っているというのは誰もが暗黙の中に知っていることだ。
それでも、国王の情報網を侮ることはできない。王は表だけでなく裏の世界でも独自に動かせる諜報部隊を持っているというのは誰もが暗黙の中に知っていることだ。