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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第19章 再会の瞬間(とき)~月日は流れ流れて~
王が苦渋に満ちた表情で首を振った。
「昔から確かに遊び好き女好きの男ではあったが、ここのところの行状は正気の沙汰ではない。朕は幼い頃から、あの者をよく知っている。けして阿呆ではなく、むしろ、朕などよりよほど頭の切れる男だ。事がこれだけ深刻になっている今、それが判らぬほど愚かな者ではないと思う。何か原因があるのだろうかとも考えてな。当人に問いただして返事が返ってくるはずもなく、それゆえ、そなたに来て貰った」
「昔から確かに遊び好き女好きの男ではあったが、ここのところの行状は正気の沙汰ではない。朕は幼い頃から、あの者をよく知っている。けして阿呆ではなく、むしろ、朕などよりよほど頭の切れる男だ。事がこれだけ深刻になっている今、それが判らぬほど愚かな者ではないと思う。何か原因があるのだろうかとも考えてな。当人に問いただして返事が返ってくるはずもなく、それゆえ、そなたに来て貰った」