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第20章 恋情～切なくて逢いたくて～

―あなたが帰るべきなのは、あなたを必要としてくれている人の許ですよ。勇気を出して。



　穏やかな声がまるですぐ側にあのひとがいるかのように囁いてくれる。

　背に回された良人の手に引き寄せられるまま、ジュチは広い胸に抱きしめられる。　


　屋敷の庭先から梔子の花の甘い香りが清涼な風に乗って流れてきた。




　最後に、心でさよならと告げて、そっと眼を閉じた。