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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第23章 落城の夜
 讃がオアシスのほとりに立っていた。切れ長の黒瞳が愕いたように見開かれている。彼のまなざしがけだるげにゆっくりと彼女の素肌の上を通った。その瞳の奥底にはっきりと焔が点るのは、彼から少し離れたフィメリアにも判ったほどだった。


「フィル」





 讃が一歩、近づく。
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