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第24章 後宮という名の檻

　親しみのこもった物言いに、フィメリアは思わず顔を上げていた。視線の先に、一人のたおやかな女性が佇んでいる。眼許辺りは讃にそっくりだ。翡翠色の丈長の下衣に鮮やかな緑色の上衣を合わせている。個性的な色だが、白皙の美貌によく映えていた。




　王太后は確か四十三歳になると聞いているが、到底、二十二歳の息子がいるようには見えない。せいぜいが二十代後半か三十代前半ほどにしか見えなかった。