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第25章 熱砂の愛

「讃。父上のことを侮辱するのは許しませんよ」


　いつもは〝殿下〟と呼ぶ母が名を呼ぶのはよほどのときしかない。讃はゆるりと首を振った。





「俺は何も父上のことをとやかく言うつもりはありません。父上は高麗建国の祖太祖大王の再来とまで謳われた聖君であられた。俺などが幾ら頑張っても足許にも寄れない偉大な王であられたと思っています」