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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第25章 熱砂の愛
「判ってるわ、ええ、判っていますとも。お兄さまは高麗国王でしょ。言われなくても、自分の兄が王さまだってことくらいは承知しています。でもね、お兄さま。恋をするのに王さまも何もない。立場は関係ないのよ。王だって奴隷だって、恋はするわ」
王女は小さく息を吐き出した。
「私が見るに、フィメリアさまとお兄さまは両想いだと思うの。だから、先ほど、フィメリアさまの幸せはここにある、つまり、お兄さまの側にあるのではないかと言ったのよ」