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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第26章 喪失、そして愛、ふたたび
 人の良いスエンは両手で顔を覆い、おんおんと泣いた。






 スエンは宮廷の料理番だった。本当なら、料理番と王の姫が面識のあるはずがない。が、フィメリアは時々、厨房にも出入りし、この太った優しい料理番とは友達のように仲良くし、時々はスエンの作った揚げ菓子や蒸し饅頭をおやつとして貰っていた。
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