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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第26章 喪失、そして愛、ふたたび

「このようなときに言えば、余計にそなたに嫌われてしまうかもしれないとも思った。さりながら、逆に今だからこそ、我らも心を開いて話し合えるのではないか。フィメリア、俺の妻になってはくれまいか。初めての子は可哀想なことをしてしまったが、これからまた二人で刻を紡ぎ、健やかな子をなしてゆきたい」
フィメリアは空いている手のひらを額に乗せ眼を覆った。それでも、溢れる涙は尽きることはなく頬を流れ枕を濡らした。讃が手巾でその涙をそっと拭った。
フィメリアは空いている手のひらを額に乗せ眼を覆った。それでも、溢れる涙は尽きることはなく頬を流れ枕を濡らした。讃が手巾でその涙をそっと拭った。

