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第26章 喪失、そして愛、ふたたび

―彼女の身柄はひとまず王宮に移す。ここでは満足な手当もできないだろう？



　讃はスエンに王だとは名乗りはしなかったが、スエンは去り際、讃にこんなことを言った。





―良いかい、王さまにちゃんとお伝えしておくれ。夏陽を攻めてきたことは元に命じられてのことだと理解はできよう、でも、あたしらの宝でもあり誇りでもあった夏陽の姫さまをもし粗略にするようなことがあったら、そのときは王さまであろうが小役人であろうが、その首をかき切ってやるとね。