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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第27章 高麗の夜明け
全体的に真珠色の長衣は窓から差し込む陽光でキラキラと輝いている。特に貴石を縫い込んだわけでもないのに燦めいて見えるのは、布地そのものを織り上げた糸が光るからだ。フィメリアには、それが夏陽産の高価な絹布だとすぐに判った。
妹には甘い讃がわざわざ取り寄せたものに違いなかった。清楚さを表す光沢のある純白の下衣には相反する鮮やかな緋色の上衣を重ねる。上衣の襟元や袖口には金糸銀糸で精緻な刺繍が施されており、こちらも見事だ。