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第27章 高麗の夜明け

「まさか、まだお兄さまとの結婚を迷っているの？」



「いえ、そうではなくて」




　讃と共に生きてゆくことは既に決めている。二人の間にある様々の問題も含めて、自分の居場所は彼の側にしかないと覚悟を定めてもいた。




　けれど、いざ婚儀を挙げて高麗の王妃になるかと言われると、躊躇いも生まれる。本当にこのまま敵国の王妃になっても良いのかと、まだ心はわずかに揺れる。