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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第4章 逃亡
 三十ほどの役人が沈行首に囁いた。


「そんなに男好きの娘御なら、元から帰国した暁には是非、一度逢うてみたいものだ」


「ハッ、その節はどうぞよしなに」


 如才なく応え、沈行首が副行首に頷いて見せた。副行首が声を張り上げる。


「出立~」



 隊列がゆっくりと動きだし、一行は今度こそ無事に都を出ることができたのである。
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