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第5章 優しい日々

　そんなある日のこと、賢は小さな家の入り口の扉を開け放し、入り口際に座り込んでいた。不思議なことに、この小さな村には、あちこちに木春菊が自生していた。ジュチが建てたこの粗末な住まいの周囲にも木春菊はたくさん植わっている。





　家の近くには小さな川が流れていて、そこもまた賢のお気に入りの場所となった。その場所はかつて賢が十歳の頃、今は高麗王となった乾とよく遊んだ郊外のあの川原に少し似ていた。